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糖尿病:食事療法、楽しく簡単に--糖質制限食/ブックス法

 糖尿病の食事療法といえば、1日のカロリー摂取量を厳しく制限する方法が主流。しかし続けるのが難しく、途中でやめてしまうケースも少なくない。もっと簡単に楽しく実践できる方法はないのか。最近、注目されている食事療法を紹介しよう。【小島正美】

◇ブックス法--1日1回、好物OK

 藤野武彦・九州大学名誉教授が提唱し、広まりつつあるのが「ブックス」療法。

 「脳指向型肥満治療法」の英語略で、肥満や糖尿病など生活習慣病の原因を脳の疲れとみなし、その疲れを心地よく食べることなどで取り除き、結果的に望ましい食習慣を築くという考え方だ。福岡市と東京・銀座でクリニックを開く糖尿病専門医、斉藤和之さんが導入し、好結果を得ているという。

 斉藤さんは、薬物を必要としない肥満の2型糖尿病の患者61人(平均年齢58歳)を従来のカロリー制限法とブックス療法の2群に分け、血糖値や体重の推移、生活の質などを1年間追跡した。

 ブックスの指示事項は(1)1日1回は健康によい食べ物のうち、自分の好きなものを満足するまで食べる(2)健康によい食べ物でも、嫌いなら無理して食べない(3)健康に悪い食べ物でも、食べたいときは禁止しない--の原則を守ること。一方、カロリー制限グループには「1日に体重1キロあたり25~30キロカロリーの食事」を指示した。

 その結果、得られた血糖コントロール効果は両者ともほぼ同等。軽い糖尿病の患者では、ブックスの方が血糖値と体重が減り、インスリンの働きも改善したという。

 斉藤さんは「逆説的だが、好きなものを食べてよいブックスの方が結果的にカロリー摂取量が減り、糖尿病が改善した。容易に楽しく実践できるので患者の満足度も高い」と話す。