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BOOCS CLINIC FUKUOKA 未来型医療を目指します

運動・食事気にせず 夕食は「満足するまで」ストレス除き脳の疲れを取る

ダイエットや生活習慣病予防を専門にする病院「BOOCSクリニック福岡」(斉藤和之院長)が10月、福岡市博多区店屋町にオープンした。

 ストレスによる脳の疲れが過食などの行動異常を引き起こすという「BOOCS理論」に基づき、食事制限や運動療法を用いず、減量ができるという。5年で約18キロも増えた体重を減らせればと、初のダイエットに挑戦した。

「身長176センチ、体重95キロ、完全な肥満です。病気になりますよ」。今春の社内健康診断で宣告された。前の職場では毎朝、同僚とボートの練習を続けていたこともあり、体重も77キロ。しかし、新聞記者になって不規則な生活が始まり、瞬く間に太ってしまった。

 現在、36歳。「何とかしなければ。でも、意志が弱くてダイエットは無理」と悩んでいた私に、先輩記者が「普通に食事をしても、やせられる方法があるらしいよ」と教えてくれた。わらにもすがる思いで、受診を決意した。

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 初診は10月31日。蘭の花や有名画家の絵が飾られ、ホテルのロビーのような待合室には、中高年の女性8人と40歳前後の男性が診察を待っていた。

 まず、心理テスト。「食事を習慣で食べるか、無理して食べることがありますか」という問いに、「週に2、3回程度ある」と回答した。

70問近くの質問に答えた後、身長と体重測定、尿、血液、心電図、レントゲン、超音波診断装置による内臓検査を受けた。

 これらのデータをもとに斉藤院長の診察を受けた。まず体の状態について。「体脂肪率30%。腹に30キロの脂を巻いていることになる。脂肪肝の兆候もある」と、予想通りの指摘があった。

 しかし、心理テストの結果、「活気が欠けている」と診断され驚いた。元気だけが取りえと思っていたからだ。「情報量が多く人間関係の複雑な現代社会では、気づかないうちにストレスを受け、脳が疲れている」と言われ、少しショックだった。

 検診が終わると、受診者7人と一緒に、減量方法について約1時間の講義を受けた。病院が提唱する理論は▽ストレスで脳が疲れると、体への指示にズレが生じる▽味覚などの五感異常が起こり、普通の食事で満足できなくなる▽過食などの結果、肥満や糖尿病などになるというものだ。

「食べてはいけない、という制限は一切ありません。一日三食のうち、夕食は満足するまで、好きなものを食べて下さい。一日一快食」と講師の管理栄養士、千々岩智香子さん。「えっ。本当にいいの?」

 講義は続く。「食べたいものを我慢するのは最大のストレス。脳の疲労が増し、悪循環になります。過酷な食事制限は、必ずリバウンドを起こします」「ただし、夕食をおいしく食べるために朝と昼は軽めに。一日一食は、ゆっくり味わって食べ、幸せを感じて下さい。脳の疲れが取れれば、体も正常な状態に戻ります」

 根本にあるストレスを取り除かなくて効果が得られるのか、という疑問を持ったまま初日は終わった。

 BOOCS理論を四年間実践している福岡市東区の主婦、Kさん(64)。60歳まで大手保険会社の女性管理職を務め、ストレスで当時は70キロあった。受診後1年で約7キロ減量し、現在も維持している。

 それまで何度も食事制限に挑戦し、一時的に数キロ減量できたが、すぐにリバウンドが起こっていたという。

「実践で味覚が鋭くなったと実感しました。夕食が楽しくなると間食しなくなり、一日に食べる量も減って減量できたと思います」と振り返る。

 福岡県北部に住む男性公務員(28)は今年7月、同県市町村職員共済組合の健康セミナーでこの理論を知った。心理テストの結果、仕事を一人でしょい込んでしまい、ストレスがたまっていることが分かった。その後4ヶ月で15キロの減量に成功。体重が減ると性格も明るくなり、プールに通うなどの運動も始め、相乗効果が出た。

「『やせなきゃ』という強迫観念がなくなりました。この理論は、余裕ある考え方ができるきっかけをつくってくれた」という。共済組合では1992年からこの理論を取り入れている。

 初診から10日。一日一快食を心がけ、毎日体重計に乗っているが、変化はない。妻は「そんなに簡単にやせられる訳がないでしょ」と批判的。「どんなに優れた方法でも、いやいや実践すれば効果は低い。素直な人ほど、効果は早いですよ」と、斉藤院長。

「よし、1ヶ月、余計なことを考えずにやってみよう」と決心した。何キロ減るか楽しみだ。

文:高橋 淳夫
写真:古田 勝利

 BOOCS(ブックス)理論 藤野武彦・九州大名誉教授が約10年前、心臓病患者の心臓への負担を減らすために、体重をコントロールする方法として考案。「脳を」「目指した」「自己」「調整」「システム」を表す英語の頭文字。糖尿病治療や摂食障害の治療にも用いられる。重症の患者には入院治療も。厚生労働省の2001年国民栄養調査によると、30―60代の男性のうち肥満者は約30%で20年前の1.5倍。女性も50歳代以上では30%前後となっている。「BOOCSクリニック福岡」は092・283・6852。